腸腰筋の働き
2014/3/7
前回までに解説した大腰筋・腸骨筋と小腰筋は、合わせて腸腰筋と呼ばれます。この内小腰筋は大腰筋の補助的役目を果たす、小さい筋肉なので今回は触れていません。
腸腰筋の構造
これまでの解説通り、腸腰筋はTh12〜L4より起こる、大腰筋と、腸骨の内側から起こる腸骨筋から成ります。
支配神経はL2〜L4大腿神経です。
腸腰筋の作用
腸腰筋の働きは骨盤の前傾と股関節の屈曲です。股関節の屈曲に関しては大腿直筋も挙げられますが、筋の走行や大きさから、この筋肉が股関節屈曲に際して最も強く働く筋肉です。
また股関節固定時にこの筋肉が強く収縮すると骨盤を前傾させる事から、姿勢保持への重要性が問われています。
腸腰筋と姿勢
骨盤を前傾させる筋肉は腸腰筋以外にも大腿直筋や大腿筋膜張筋が関与します。
また、これらの筋肉に対する拮抗筋も存在し、上の図にある大殿筋やハムストリングスは骨盤を後傾させます。
これらの筋肉はどちらが強くなり過ぎても、骨盤の位置に前後差が生まれ、理想的な姿勢はつくれません。
姿勢に関してこの筋肉が強く言われる事が多いですが、臨床では拮抗筋も含めて総合的な評価が必要です。