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立位を保つために働く抗重力筋の解説

2014/10/28

私たちセラピストは身体の評価をする際に、立位での姿勢を用いることがよくあります。

2本の足で活動する人間の身体は、抗重力筋を始めとするたくさんの筋肉の働きによって支えられています。

今回はその立位に関わる筋肉についてまとめました。

姿勢を評価する際の参考になればと思います。

理想的な立位の基準

姿勢を正しく評価することは、その人の持っている筋肉のバランスを評価する良い材料になります。

安静立位の評価の基準として代表的なものに、前額面から見た「重心線」があります。

重心線は立位時の前後方向に最も安定した線で、下の5点を結んだ線のことを言います。

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これに加えて、正中線を基準に左右の差を比較します。不安定な立位姿勢ではこの基準線から大きな前後差・左右差が認められます。

今回は主に側方から見た重心線上に身体を保つ筋肉を解説したいと思います。

抗重力筋の働き

立位姿勢の保持に働く筋肉は、抗重力筋と呼ばれます。代表的な抗重力筋を下の図に示しています。

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これらの筋肉は、中枢からのフィードバックにより緊張弛緩を細かくコントロールしています。

前後方向の揺れに対して、各筋肉が調節している関節の働きは以下の通りです。

  • 足関節の底背屈
  • 膝関節の伸展保持
  • 骨盤の前後傾
  • 体幹の前後屈
  • 頭位の前後屈

これだけの筋肉が立位時の姿勢を安定させるため、全身を重心線から大きく外れないように制御しています。

主要姿勢筋の働き

抗重力筋の中でも特に姿勢保持に働く筋肉群を主要姿勢筋と呼びます。

上の図で筋肉を腹側と背側に分けて記載しましたが、主要姿勢筋は全て背側にある以下の筋肉です。

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背側の筋肉が主要姿勢筋と呼ばれる理由は、正常立位での重心線が身体のやや前方を通っているため、背側にある筋肉は全て持続的な筋緊張を保たなければならないからです。

対して腹側にある筋肉は、持続的な緊張を必要とせず動揺する身体を調節する際に、断続的に収縮すれば立位を保つことができます。

 理想的な立位

立位とは、様々な筋活動が生じる一つの“動作”です。

立って行う動作の基本形とも言える立位を分析する事で、その身体の筋バランスの特徴が見えてくると思います。

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重心線に対して、頭位が前にあるのか?膝関節が前にあるのか?大腿骨が後ろにあるのか?

問題となっている筋肉はどこか?

基本となる重心線をイメージする事で、その身体の特徴を明確にすることができます。