顎二腹筋の働き
2014/1/9
今回解説するのは前回の舌骨上筋群の構成で解説した、舌骨上筋群を構成する筋肉の一つ顎二腹筋です。
顎二腹筋は名前の通り、筋腹を二つ持つ筋肉です。
顎二腹筋の構造
顎二腹筋は前腹と後腹に分かれ、舌骨を介して走行が切り替わる特殊な走行を持つ筋肉です。顎二腹筋前腹は下顎骨ニ腹筋窩にから起こり、中間にある腱に停止。後腹は側頭骨乳突切根から起こり同じく中間腱に停止します。
顎舌骨筋前腹は三叉神経由来の顎舌骨筋神経に支配され、後腹は顔面神経に支配されます。これは顎二腹筋の前腹と後腹は発生学的に異なる事から由来されます。
顎二腹筋の作用
顎二腹筋は開口筋の一部です。舌骨が固定された状態でこの筋肉が収縮すると下顎骨を舌骨に引き寄せる事で開口筋として機能します。
逆に下顎骨を固定した状態(閉口した状態)でこの筋肉が収縮すると舌骨を引き上げます。嚥下の際閉口していないと上手く嚥下できないのは、この筋の収縮が出来ないからだと考えられています。