大胸筋の働き
2013/12/14
大胸筋の構造
大胸筋は胸部の筋肉の中でも大きく表層に位置する筋肉です。筋力トレーニングにも頻繁に名称が出てくる事から一般的にも広く知られる筋肉です。
その構造は鎖骨部・胸肋部・腹部から成っています。神経支配は外・内胸筋神経です。
大胸筋鎖骨部
大胸筋鎖骨部は鎖骨内側から起こり、上腕骨の大結節稜に停止します。
大胸筋鎖骨部が収縮すると肩関節を内旋させます。この筋肉は肩関節の角度によって働きが違うので注意が必要です。
大胸筋鎖骨部は肩関節の屈曲にも作用します。また肩関節屈曲位での水平内転の際に収縮するのもこの筋肉です。前にならえをした状態で手を内側に持って行くと触診が容易になります。
大胸筋胸肋部
大胸筋胸肋部は胸骨と第2〜6肋軟骨から起こり、上腕骨大結節稜に停止します。
大胸筋胸肋部が収縮すると肩関節を内旋します。この筋肉も同じく肩関節の角度によって働きが違います。
肩関節を90°屈曲すると大胸筋胸肋部は伸展に働きます。また内転にも作用します。
大胸筋腹部
大胸筋腹部は腹直筋鞘から起こり上腕骨の大結節稜に停止します。
大胸筋腹部が収縮すると肩関節を内転方向に働きます。
大胸筋は呼吸を助ける筋肉
また大胸筋は呼吸の補助にも働きます。上肢を固定して胸骨を持ち上げる働きをするので、深呼吸の際に胸郭の容量を広げ吸気を促す機能を持っています。
腕を広げて深く息を吸い込む時に、肋骨が持ち上がってくるので大胸筋の働きをイメージすることができます。